分かりやすい公簿売買と実測売買の違い

  • 実測売買と公簿売買
  • 実測売買(数量指示売買)とは
  • 公簿売買とは
  • 公簿売買でも数量指示売買になる場合がある

実測売買と公簿売買

不動産の売買契約には、実測売買と公簿売買があります。

実測売買(数量指示売買)とは

実測売買は 実測した面積(一般的に確定測量(確定測量は隣接地との境界も確定させる測量)後の面積)を基礎にして取引価格を「○○㎡(坪)」×「○○万円」 とし、総額を算定して取引をします。

そのためいわゆる数量指示売買にあたります。数量指示売買とは「当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数又は尺度があることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいう」らしい。確かに売主が実際に有する数量を確保するため面積を契約において表示しており、その面積を基礎に代金額が定められているから納得です。

そして数量指示売買は、「数量の不足又は物の滅失の場合における売主の担保責任」を負うものと解されており、これは売買契約書記載面積より実測面積が少ない場合に売主が担保責任(代金減額)を負うというもの。

ちなみにその反対に売買契約書記載面積より実測面積が多い場合に、売主が代金増額請求をすることは出来ないと解されているようです。なぜなら売主は買主と比べ売買目的物の情報を把握しているものであり、またこの担保責任は売主に無過失責任を負わせるものであるから、そもそも売主が請求するものではないからみたい。

実測売買は例えば、売買契約書で面積100㎡で価格100万円(1万円/㎡)と定めて、確定測量をしたら110㎡だったとしたら、売買代金決済時に対象地の面積110㎡×1万円で算定した総額110万円で取引が行われます。

公簿売買とは

公簿売買とは登記簿に記載された面積によって売買が行われます。そして公簿面積は実際の面積(実測面積)とは異なる場合が多い(地籍更正登記をしている土地であれば別ですが・・・)のですが、その公簿面積を信頼して取引するものであり価格の調整はありません。売買契約書においても実測面積と異なっていても代金増減額請求(売主が高くしてとか買主が安くして)は主張できないようになっています。

前述のとおり実測売買と公簿売買の大きな違いは、実測面積と公簿面積が異なった場合の処理方法で、実測売買は調整し、公簿売買は調整がないところです。

そのため公簿売買の売買契約を締結した場合は、その条文にあるとおり調整がないものとして取り扱われる事と考えていました。

ところがそうではない場合があったようです。

公簿売買でも数量指示売買になる場合がある

その案件は売買契約は公簿売買だったのですが、交渉の過程で数量を明示し、代金の交渉等が行われた場合は、数量指示売買にあたる事もあるようです。(集民 第203号743頁)

気をつけねば・・・

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