家賃補償は誰のもの?

飲食店などの店舗の家賃補償で思うこと

コロナウイルスの影響で飲食店などの店舗の売り上げが大幅に落ちており、そのため貸主が家賃を減額したり支払いの猶予を行う話も出ていてこういった非常事態を両者で助け合う姿は素晴らしいことだと思う。

そしてこの様な非常事態だから一定の条件のもと家賃に対する補償をしてもらえる場合がある。

店舗などの救済措置だから私は良いことだと思っていたんですが、その補償をめぐってちょっとした口論になることがあったりして。。

家主としてはテナントが家賃補償をもらえるなら減額していた賃料を回収しようとする。確かに家賃に対する補償ならそれで家賃を払って欲しいと思うのは分からないでもないけど。

でも家賃の補償といっても無条件に補償されるという訳ではなく、業種が制限されたり前年度と比較して◯%の売上が下がっていたりと厳しい条件が科せられ、それに補償をしてもらえるのは家賃の一部。家賃補償や持続化給付金などを含めても十分な金額には満たない。。

それに家賃補償を受ける事ができるのであればそれは裏を返すと前年比との比較で売上はかなり下がっているということであって厳しい状況であるのは明らかであり、家賃はもちろんのことリース料や人件費などの固定費はその僅かな売上と家賃補償などで賄わなければならない。テナントからすると僅かな補償でも受け取りたいが、受ける補償が家賃補償だから家主から回収されるということになる。

でもこの家賃補償って名目は家賃だけれども結局のところ営業補償の一部という扱いに見えるんですよね。だって売上が落ちている事が前提条件となっていてその費目である家賃の一部を補償するってことになっているので。

テナントからするとただでさえ莫大な固定費がかかっているのだから営業を続けるためにもその補償で少しでも食い繋げられればっていうのもある。一方で家主は家賃の補償だから賃料を支払うべきという。

今回の話し合いでは、やはりテナント側の売上げが厳しく今後のことも踏まえ、家賃を減額しかつ家賃補償はテナント側が受け取ることになりました。

もちろんこの判断には貸主側の収支に大きな負担をかけるため簡単なことではありませんが、家賃補償だから家主が受け取るというその名称だけに拘ると家賃だけにフォーカスされその背景などが軽く見られてしまいテナントを追い詰める可能性もあるので、その事情を十分に考慮して調整に当たる必要がありそうです。

家賃補償に限らず言葉のみに拘るのではなくてそれがどういった類のものなのか把握した上で交渉に当たらないといけないのはいうまでもありません。

賃貸借契約は貸主と借主との信頼関係の元に成り立っている契約だからお互いに助け合いながら継続できるといいですよね。

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