店舗賃料は月間売上高の3日分とか10%と賃料減額請求

  • 店舗賃料が月額売上高の3日分や10%という話
  • 実は同じことをいっているだけ
  • 現行の賃料にも当てはめて減額請求できるのか?

店舗賃料が月間売上高の3日分や10%という話

店舗の賃料水準ってよく聞くのが、月間売上高の3日分なんて話がありますよね。

他にも月間売上高の10%って話もよく聞きます。

それって本当なのでしょうか?

実は同じことをいっているだけ

実はこれって同じことをいっていますよね。

月額売上高の3日分というのは単純に

3日÷28日≒10.7%

3日÷30日=10%

3日÷31日≒9.7%

なので売上高の3日分というのはそもそも10%程度になる訳で同じことをいっているのが分かります。

だから当然のことながら家賃を除く経常利益率がある程度高くないと店舗を構えることが出来ないということですよね。

確かに中心商業地の店舗は利益率が高そうな店舗ばかりですよね。

ということは出店を考える場合に、募集の賃料を10倍した売上高を上げることが出来ないと思うときは慎重に判断した方がよさそうですね。

現行の賃料にも当てはめて減額請求できるのか?

では現行の賃料はどうなのでしょうか?

売り上げ高が下がった場合ってその10倍が適正というのであれば、賃料も売上高の減少に伴い減額できるのかな?そんな疑問が湧いてきます。

つまり賃料減額請求権を行使という話なのですが本当にできるしょうか?

店舗の賃料減額請求権は、借地借家法の32条が適用されます。

そこには

①租税公課の増減、②土地建物価格の変動、③経済事情の変動、④近傍同種の借賃と比較して不相当

の場合に賃料の増減請求が出来るとされています。

ちなみにその借地借家法第32条がこれです。

借地借家法第32条: 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

さて先ほど売上高が下がったので10%相当額の賃料も下がるという話。。

これは先の条件に当てはまるのでしょうか?

①は固定資産税等の税金の話だから違いますよね。今回は価格の話ではないので②も違っていそう。売上高の増減の話だから、近傍同種の借賃の話とも違うから④も当てはまりそうにありません。

では③に当てはまるでしょうか?

この経済事情っていうのが個別の売上高の話だとしたら、賃貸借契約の賃料って全く安定しませんし、不動産の鑑定評価でその考え方に対応したものがスライド法っていう手法だと思うのですが、これはマクロ的な変動率を採用するようです。だから個別の売上高を根拠にするのも難しそう。

そもそも10%を減額請求の根拠とするならその10%妥当性も説明しなければなりませんし・・・

ということで売上高が下がったからという理由だけで減額請求権の行使というのは難しそう。

ただ賃借人としては、売上高が下がって厳しい状況にあるのには変わりないため、賃貸人に相談するしかなさそうですね。

ここで賃料減額請求ができなから相談ができないという考えの人もいるようですが、私は権利行使ではないのだから相談するのに法的根拠はあまり必要ないように思います。(もちろん法的根拠があった方が望ましいのは論を俟たない)

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