建物の価値を想像してみる『建物の査定で思うこと』

建物の査定で思うこと

不動産の査定をする時は実際の取引価格から推測して価格を求めることが多い。

実際の取引があったのであれば価格水準としてその価格を活用するのは理にかなっていると思う。

土地価格は取引事例を活用するとして・・・建物はどうするの?って話になった時に、査定する時には建築価格を根拠に求めることってあると思う。

どう求めるのかというと、現在の一般的な建築単価からその建物の築年数によって現価していく方法が一般的なのかな。例えば50年の耐用年数で5年経過している建物だとしたら、新築の原価から5/50が減価しているからこれを控除して求めるというもの。これって確かに分かりやすいし説明も簡単で誰でも作れるからいい査定方法だと思う。

査定書としてはいい。

でも実際のところ建物の価値としてはちょっと違っているのかなって思うところもあるんですよね。

それというのも建物の新築価格って建築主が建物の施工会社に建物を発注してその建築価格水準が基本となっていて、建築主からするとその原価にあった価格水準の建物だと思う。でもそれは建築主の目線での話であってその建築主の好みの建物をその原価と同じ価格で売れるのかというとたぶん売りにくそうですよね。だって自分の好きな間取りの建築にして建てた方がいいので。それに仮にいい建物であったとしても場所によって良くなかったりしますよね。どんなにいい建物であってもそれが山に建っているのであれば購入者は現れないかもしれないし、購入者希望者が少なければ価格が安くなる傾向があるので、同じ建物でも市街地と山で建築されたのであれば、土地の価格はもちろんのこと建物価格にも影響してしまうんです。

中心商業地等の超一等地にあるオフィスビルだってそれは場所がいいところにあるから価値が高いわけであって、同じものが山に建っていたら建物の原価は同じであってもテナントの入居は極めて少ないでしょうし、収益も上がらないのに維持管理費は同じ様にかかるってしまうので、購入者も現れにくいから安くなると思うんです。

ってことは単に建築原価から求めていると売れない価格を提示してしまうこともあるんじゃないかって思うんですよね。こういった減価を市場性による減価とするのかな。。

もちろんその建物が建った場所に応じた減価率を表現するのは簡単ではないと思いますし、なるべく分かりやすい査定をした方がいいと思うのでそこまでする必要はないのかもしれませんが、必ずしも建築原価を使うことが正しいわけではないっていうのを知っていた方が良いのかなと感じることがあって記載しました。

不動産価格を求めるのは難しい。

だからいろいろな考えがあって面白い。

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