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立退料に含まれる営業補償

立退料に含まれる営業補償

店舗などのテナントの立退料といったら借家権とは別に営業補償が必要になってくる。

その場合の立退料っていうのも賃料の何ヶ月分とかいう話が多いような気がするけど、借家権の話の時もいいましたが賃料の何ヶ月分というのはその事例の話であって他の事例で使えるような話ではなさそう。。業種によって利益も費用も異なるから当たり前と言えば当たり前なんですけど。。

ではなんで違うんだろう。今日はその営業補償について簡単に考えてみたいと思います。

営業補償について考えてみる。。

営業補償というのは、収益減の補償、得意先喪失の補償、固定的経費の補償、休業手当補償などがある。

収益減の補償というのは本来営業していれば得られたであろう逸失利益を補償しようとするものです。なので利益を上げれば上げているテナントほど逸失利益は大きくなるのでその分この収益減の補償は高くなり、逆に赤字のテナントであればこの補償はありません。赤字のテナントであれば休んでも利益がないので補償する部分がないですよね。

次に得意先喪失の補償ですが、店舗を移転すると新天地で得意先(固定客)を見つけなければなりません。そのため最初に得意先を見つけるまで苦労するし、得意先を見つけるまで売り上げは減少してしまいますよね。だからその減ってしまった部分を補償しようとするのが得意先喪失の補償です。。

収益減の補償は、例えば店舗閉鎖期間が10ヶ月になった場合に売り上げが単純に減ることに対するものですが、得意先喪失の補償は営業開始から将来に向かって収益が減ってしまうものに対して補償するという違いがあります。

固定的経費の補償は、一般的な固定費と勘違いしてしまいそうな名前ですが、補償独自の考えなので内容は異なります。例えば営業休止期間が1ヶ月だった場合に、リース契約とか1ヶ月の間解約することとかできないものってありますよね。なので営業休止中にもその固定費はかかってしまうからその部分を補償しようとするものです。逆にいうと1ヶ月の営業休止期間の間止められるものであれば固定費がかからないので固定的経費の補償の対象にはなりません。固定的経費の補償の対象になるポイントは、営業休止期間中も有無を言わさずかかってしまう固定費だということです。

休業手当補償というのは従業員などのスタッフに対する補償です。これらも休業休止期間中にかかってしまうものなので人件費の補償として算定されます。

その他にも店舗を移転するために必要な移転雑費や店舗の開店に際し広告宣伝が必要なのでそういったものなどに対する補償など様々なものがあります。

店舗などのテナントの立退料というとこの営業補償が大きく影響しますが、先ほど記載したとおり売り上げが大きいところと小さいところで補償額が異なりますし、また業種によってその場所に対する固定客への影響が異なり、その業種で停止できない莫大な固定費がかかる業種であれば補償額が異なってしまう。

つまり営業補償が含まれる立退料は補償額の算定によって大きく異なり、その補償対象となるテナントの売り上げや業種によって異なるものなので、賃料の何ヶ月分というのはあまりいい例えになりそうにない気がします。ただ時には基準としてクライアントに説明する機会もあるかもしれないので、そんな時は安易に賃料の何ヶ月分というのではなく、専門家の意見を聞きつつ慎重に進めた方が良さそうです。。

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