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よく分かる借地権の価格と賃料の関係

借地権の取引って・・・

土地を借り受ける権利を借地権といいますよね。

そして建物の所有を目的とする借地権であればそれが取引の対象になる可能性が高くなります。

そんな借地権の取引を行われたときって何が基準となるのでしょうか。価格?賃料?

よく考えてみると、そもそも物を借りるのに価格が存在するの?ってよく分からないこともあるかもしれません。

そこでこの価格と賃料の関連性について考えてみたいと思います。

借地権の価格

借地権の価格っていうと違和感がありませんか?先ほどご指摘したとおり借地権はお金を支払って土地を借り受ける権利・・・だからそもそも借りる権利を購入する(しかも購入したら賃料を払わないといけない)という考えが一般的なものと違いますよね。

だから難しいし、権利を買って賃料を支払うってなんとなく違和感を感じる人もいるのではないでしょうか?

ただ借地権の購入が合理的な場合があるので借地権の価格があり、借地権の取引が行われるということですよね。

だからその関係を考えてみたいと思います。

借地権の価格と賃料の関係について

例えば土地価格が100万円/坪の土地があったとして、その賃料が年額4万円/坪だったとします。つまり利回り4%ですよね。

そしてこの借地権が20万円/坪だったとします。

そこで支出面について考えてみます。

本件の不動産の価格が100万円で権利価格が20万円だから、それを控除して年額の賃料を毎期支払うと考えると・・・

100万円ー20万円=80万円

80万円÷4万円/年=20年

つまり支出面で考えると20年で購入価格と同じということになりますよね。もちろん購入であれば当初投資元本が大きかったり、毎期の固定資産税を負担し、最終的に購入価格と同額で売却したりするので、土地の価格の65%程度(諸経費や公租公課等を考慮)のお金が戻ったり、建物価格がある場合がありますがここでは考慮外とします。単純化のために複利による算定も行いません。

これを標準的な水準と仮定します。

次に同じ土地(土地価格100万円、権利価格20万円)で賃料が年額1万円/坪だったとします。その場合って・・・

100万円-20万円=80万円

80万円÷1万円/年=80年

この条件だと80年も使えてしまうんです。

それなら権利金が高くても借りてもいいかな~なんて感覚にもなりますよね。そして賃料が1万円/坪であれば、権利金が80万円であっても同様に20年借りれるので妥当性はありますよね。

この両者を比較すると・・・

権利金20万円 賃料4万円 = 権利金80万円 賃料1万円

ということになります。

つまり、権利金が高ければ賃料が安い傾向があり、逆に権利金が安ければ賃料が高い関係にあることが分かります。

だから賃料が安い借地権を購入する場合は権利金価格を高くても購入する価値があるので、一般的に借地権の価格が高くなります。

借地権は価格と賃料が併存するのでわかりにくいところがありますが、両者には密接な関連があり、これらのバランスのチェックが重要だといえそうです。

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