借地の賃料相場は構成要素から想定できる

借地の賃料相場

借地の賃料相場を知りたいっていう話がある。

もし誰かから事務所周辺の賃料を知りたいと訊かれたときに実際に答えることができますか?

この質問って難しい。何故ならそんなに借地の取引が多いエリアは少ないし、その構成要素によって変わってくるので・・・・

実際に賃料相場の答えについて考えてみる

例えば賃料は1,000円/坪です。なんて答えがあったとします。

その借地は借地権の権利金を設定する事を前提としているのでしょうか?

建物の用途に制約はありますか?

借地権の期間は?それは定期借地権ですか?・・・

この様に借地といっても前提条件となる構成要素が決まっていないと答えなんて出せないんです。。

前提条件を深掘りすると答えが見えてくる

そうであるな前提条件について更に考えてみる。

権利金の発生については、例えば固定資産税が月額2,000円/坪で借地の賃料が月額1,000円/坪だった場合(賃貸人が赤字になるのであり得ませんが例えばということで)に賃借人は月額1,000円/坪(年額12,000円)の利益がありますよね。そうだとすると、10年の定期借地権だとすると、

12,000円×10年=120,000円(ここでは利率は無視します)

だから賃借人は権利金を120,000円を支払って借地権を設定してもいいですよね。

だから前提となる権利金の有無が必要です。

建物用途については、高層ビル群が立ち並ぶ地域で平屋建ての戸建て住宅しか建てられないとすると、賃料が安くなるはずなんです。だって借りる人が少ないので、需要が少なければ賃料は安くなりますから・・・

定期借地権であれば、期間があるのでその期間に応じた賃料になるはずですし、定期借地権の方が賃貸人に有利な条件であるため、賃料が安くなる傾向があります。これは対象物件の希少性に大きく影響されるので分かりにくいかもしれませんが、全く同じ土地で、10年で投資回収をしなければならない場合と、30年で投資回収をしなければならない場合を比較すると、期間が短い方が早く投資額を回収する必要があって、その分投資した建物の減価償却等を含めコストが高くなり、それによって賃料負担を少なくなるする必要があるから賃料は安くなる傾向があります。

この様に借地の賃料って前提条件が異なると市場や相場が異なるので正確な回答は難しいんです。

実際に自分のオフィスがあるところの借地の賃料っていくらかって想像するとその難しさが分かると思いますし、仮に誰かに訊かれても正確な答えを出すのは難しい。。

だからこれらの前提条件の構成要素を明確にして、それらに対応した賃料を自分なりに求めてみる事が大切だと思います。前提条件を相手に伝えたところで訊かれた方も大変なので・・・。

でも前提条件を明確にすることで、自分で算定した方が的を射た賃料を算定することが出来るかもしれません。

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