- 利回りって非常に大切です。
- 不動産投資が難しい理由
利回りって非常に大切です。
不動産投資が注目され、数年前と比べても利回りが非常に低い水準となってきました。
そこで最近は、「利回りは気にしないから不動産を購入したい」という人が増えてきたような気がします。
おそらく利回りを気にすると情報が集まらないため、そう言っている方が多いのだと思います。確かに数年前の利回りでは想像できなかった利回りでしか取引ができなくなっていますし、今後の利回りの趨勢を知る意味においてもそれは重要だと思います。
ただ、中には本当に利回りを気にしないで不動産を探している方もいるかもしれません・・・。それはかなり危険です。
おそらく不動産を利回り目線で購入しようとする方は、不動産投資を目的としている方だと思います。その利回りというのは、投資額（不動産の価格）に対する売上とか利益を表しています。
そして不動産投資の目的は、不動産から得られる収益や転売を目的とするものであるならば、その利回りが分からなければ投資はできません。
仮に10年物国債の利回りと購入を検討する不動産の利回りが同じだったとした場合、10年物国債を購入した方が合理的ではないでしょうか。利回りを気にされない方がいるのであれば「いやいや不動産価格はこれからも上昇するから不動産購入の方がいいよ」っていう方もいるかもしれません。でもそれは間違いだと思います。なぜなら次のとおり、不動産投資が難しいものだからです・・・
不動産投資が難しい理由
- 不動産は非流動的な資産であり、売却したい時にすぐに売却できるものではない。
これは不動産というのは非流動的な資産であり、売却したい時にすぐに売却できるものではないため、急にお金が必要となった場合に、買主を早急に探す必要があり、見つからなければ安く売らないといけない場合がある。っということは、10年物国債と比べ売り難いのだから、10年物国債利回りより不動産の利回りは高くなる（リスクプレミアム）必要がある。
- 不動産の収益は基本的に逓減（徐々に減っていく）するものであり、初年度の収益が永続的に続くものではない。
不動産投資の利回りは一般的に初年度の収益（賃料）を単純に購入価格で除した場合が多く、この収益が永続的に続くことはあまりない。なぜなら、売上（賃料）に着目すると、不動産は古くなればなるほど、他の不動産（新たに建設される建物等）との比較において劣るため、貸し出す賃料は安くなります。他方その経費に着目すると、年数が経つほど設備や機器の故障が多くなるため費用が嵩み、さらには大規模修繕も踏まえるとそれは大きなものとなる。そのため、傾向としては、収益は逓減（徐々に減り）、費用は逓増（徐々に増える）、その結果、初年度の純収益は逓減していく傾向がある。
- 不動産の管理や運営の仕方によってその収益が左右される。
所有者や管理会社等の管理の仕方が悪ければ、空き室が多くなり、収益が下がることとなる。また、良い管理会社であれば他の管理会社より管理費用が高くなることがある。そのほか費用をかけたとしても過剰な管理サービスは、費用の割には収益が上がらず、その判断は難しい。つまり、運営管理は簡単ではない。
この様に不動産投資は難しい。
そのため少なくとも不動産投資をする場合は利回りに興味を持って、自分なりに投資の妥当性を検証するようにした方がいいと思います。
また、相続税対策のために不動産を購入される場合もあると思いますが、そもそもその不動産の価格が維持されるのか、利回りは適切なのか等の検討はした方がいいと思います。
