不動産投資の考え方(失敗しない方法)

  • 情報の非対称性
  • 情報の非対称性を中古車販売市場で例えると
  • 情報の非対称性によって失敗する
  • どうしたら失敗しないのか?
  • 不動産投資の場合
  • 不動産の購入は借入金と自己資金による
  • 借入金の返済方法は元利均等・元金均等
  • 投資対象として適格?不適格?

情報の非対称性

経済学ではミクロやマクロ、様々な分野の研究がなされている。

その中でミクロ経済学の市場の失敗の1つにある『情報の非対称性』が悲劇を起こす場合がある。

この情報の非対称性というのは、売り手または買い手のいずれかが情報を優位に持っており、その事によって市場が縮小し、最悪の場合には消滅する可能性があるというもの。

情報の非対称性を中古車市場で例えると

例えば中古自動車販売市場において、売り手である中古車販売会社は、中古車の十分な情報(故障歴・事故歴等)を持っており、自動車を少しでも高く売りたいという動機がある。他方買い手は、中古車販売店に行ってその場で購入するかを決断しなければならないため情報がほとんどなく、自動車整備士等の専門的な知識がない限り圧倒的に不利な状況になる。

そのため中古車販売会社は少しでも高く売る動機から、本来であれば事故歴等を踏まえると50万円程度の自動車だったとしてもを情報を隠して100万円で売ろうとする。買い手は、その情報がないから100万円で購入する。

そうすると買い手は、中古車販売市場では情報を得られず損をするため、中古車販売市場で購入をしないようになる。他方売り手は安い価格では売らないから、それによって中古車は売れなくなり、市場が衰退していく。こういった問題になる。

情報の非対称性によって失敗する

そしてこの『情報の非対称性』って実際に問題となっている場合があると思います。

中古車販売市場で例えましたが、高く売りたいっていう動機があり売り手が情報を十分に持っている以上、どの市場においても起こりえますよね。

酷いのがニュースで見かける投資商品・・・利回りが高い商品は、商品を購入する顧客の収益(利回り)を捻出するため、対象事業が高い収益性を確保しなければならない。

投資利回りが数十%あるものもある。もしそれが本当であればその商品は売らない方がいいだろうってツッコミたくなるけど、投資のこととか考えたことのない方であればそんなに儲けることができるのなら投資しようと考えてしまう。

情報を持っていない買い手が失敗する、つまり情報の非対称性が悲劇を生んでしまうんです。。

どうしたら失敗しないのか?

ここまでで記載しきたとおり、情報の非対称性があるが故に失敗する・・・それなら失敗しない方法は簡単で、たくさんの情報を得たうえで十分に考えて判断すること。

相手より多くの情報を得ていれば、相手が情報を隠そうとしていることがすぐに分かりますよね。

不動産投資の場合

不動産投資は自己資金と借入金によってレバレッジを効かせることにより一定期間(概ね10年程度)運用して売却する。そしてその売却して得たお金を同様にレバレッジを効かせて再投資する。これが一般的な不動産投資スキームですよね。

もちろん運用する不動産によっては転売益のみを目的としたものや、毎期の収益のみを目的とし永続的に持ち続けるという考え等もあります。ただ安定して効率的に不動産を運用し、当初の手元資金をレバレッジを効かせて再投資する方が効率がいいと思います。手元資金が何倍にもなりますから・・・。レバレッジについてはわかりやすい不動産投資のレバレッジ計算で書いてますのでご参照ください。

また、なぜその方法がいいのかっていうと、運用期間中の10年程度の期間において、不動産価格が著しく上昇するのであればその時に売却すれば利益がでるし、10年程度の期間が経過した時に不動産価格が安くなっているのであれば、少し期間を延ばして売却(あまり長くなると毎期の収益のみを目的とする場合と同じですが・・)すればいいからです。つまりこの投資方法はいいとこどりってことですよね。

では、この場合の購入の判断基準ってありますか?もしないのであれば、情報が非対称になる確率が高くなりそうですね。。

不動産の購入は借入金と自己資金による

購入は借入金と自己資金を活用するっていいました。

ということは当然のことながら営業利益が借入金元利返済額以上得られなければなりません。これをDSCR(営業利益÷借入金元利返済額で求められます)といいます。

このDSCRが1以上の値になれば借入金は返済できますが、購入後の営業利益の下落要因(建物は古くなると賃料が減少し、維持管理に関する費用が増加、つまり収益が減少する)その後の金利上昇のリスク等を踏まえると、価格上昇が著しい不動産等の特殊なものでない限り、DSCRが1の場合は投資不適格だといえると思います。この場合は当然ながら出口戦略も描けませんよね。

ということは・・・借入金元利返済額を知る必要がありますね。

借入金の返済方法は元利均等・元金均等

借入金の返済方法として、元利均等返済と元金均等返済があります。

元利均等返済は、以前説明した元利均等償還率で求める事ができるので、元金均等について説明します。

元金均等返済は、読んで字の如く元金を均等に返済すること。

つまり1億円を20年で利息1%で返済するのであれば、

元金:100,000,000円 ÷ 20年 = 5,000,000円/年

利息:100,000,000 × 1% = 1,000,000円/年

初年度の返済が6,000,000円になります。

という事は・・・

投資対象として適格?不適格?

投資対象が1億円の不動産であった場合に、営業利益を6%(600万円 ÷ 1億円)以上得る事ができなければ投資対象にならない(DSCRが1だから)し、売却を想定した場合にNOI利回りが6%以上でなければ売れない・・・つまり価格を下げないと売却が難しいということ。

つまり投資不適格。

もちろん自己資金を投下すれば6%以下になりますが、自己資金を高くするとそれだけレバレッジが効かなくなり投資対象としての魅力はなくなります。それは端的に言うと売れにくい・・・つまり出口戦略を描きにくい物件ということ。

最近は不動産の投資利回りはかなり低下しており、過大な自己資金を投下し、あまりレバレッジの効いていない投資が増えているように思います。

だから今回記載した計算方法以外にも十分な情報を得て考えて予測し、投資するようにしましょう。

情報が非対称になることによって後悔しないためにも・・・。

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