サイトアイコン serhiro.com

賃貸人の地位の移転は包括的かつ免責的に承継する?

包括的かつ免責的に承継・・・?

不動産の売買契約書では特約条項を作成することがあり、その特約条項は不動産会社などが各々で条文を考えるので、非常にバラエティに富んだ表現が多く勉強になることもあれば難しすぎて理解できない条文を目にすることがある。

それでちょっとこれは難しいなと感じたのが・・・

賃借人がいる投資用物件にかかる売買契約で、賃貸人の地位の移転に関する内容について『売主の賃貸人の地位は、買主に包括的かつ免責的に承継する』という文言を見た時です。

これは賃貸人が売主から買主に変わるんだろうな・・・。っていうのはわかるんですが、考えてみると『包括的かつ免責的に承継』ってなんだろう?って思うところがあって。。

思うに包括的と免責的が承継にかかっている様なので、包括的承継と免責的承継の両方を含んでいるということかな。。

そうだとすると。。

まず包括的承継って包括承継と何が違うんだろ?「的」が付いているから違うんだろうけど、不勉強で包括的承継が何を意味しているのかわからない。

うーん。売買契約は特定承継だし、包括承継であれば全ての権利関係を承継することになりそうだけれど、一方で免責的な承継もされるということは何かが免責されるということなのかな・・・それは敷金のことなのかな・・・

一部が免責されるから包括的承継なのかな・・・。だったら免責される部分があるからということで、包括的承継だけでまとめられないのかな・・・。でもやっぱり包括的承継ってなんだろう。。

なんて考えたりしたんですけどやっぱり難しいし、これで契約当事者に伝わるのかな?なんて思うところもあるんですよね・・・。少なくとも私はわからないので、包括的かつ免責的に承継されるっていう文言だけで終わらせず、包括的かつ免責的に承継されるから賃貸人の地位がどうなるのか説明を加えた方がいいんじゃないかなって思う。

賃貸人の地位の移転で大切なことというと・・・

売買契約に伴う賃貸人の地位の移転に際し大切なのは、賃貸人が賃借人に対する賃料債権と賃貸人が負う目的物を使用収益させる債務および敷金返還債務をどう処理するのかということだと思う。

なので売買契約において、賃貸人の賃料債権と使用収益させる債務は目的物の引き渡しによってその権利関係を引き継ぐ(売主が賃貸借契約から離脱して買主が賃貸人となる)ことと、売主の敷金変換債務は買主が免責的債務引き受けをする(売主が敷金返還債務を免れ買主が敷金返還債務を負う)ということであって、これを更にわかりやすく噛み砕いて伝えるべきなのではないのかなって感じました。

契約書の条文の表現方法は様々なものがあると思いますが、契約書の重要なことって契約当事者同士が争いにならないように分かりやすく記載して、両当事者が納得して合意できるようにすることだと思う。だから特約条項を作成する時もできるだけ伝わりやすい表現がいいのではないのかなって思いました。

それともしかしたら『包括的かつ免責的な承継』というのが正しい表現である可能性もありますので、その場合は私の不勉強で申し訳ございません。ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

Follow me!

モバイルバージョンを終了