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賃借人と賃貸人の価値の混同に注意

賃貸借契約では賃貸人と賃借人の価値が成立する事がある

住宅や店舗、工場にせよ、駐車場にせよ賃料を払って借りることってある。

そんでもって借りる前には賃貸借契約を締結する。

その時の契約の当事者であってその建物等を借りる人が賃借人。建物等を貸す人が賃貸人っていいますよね。

なので賃借人と賃貸人って密接な関係がある。

この賃借人と賃貸人っていうのはそれぞれに権利があり義務がある。

そして両者には価格が成立する事がある。

よく聞くのは賃貸人の価格かな。。

賃貸人の価値

一般的にオーナーチェンジなんて呼ばれたりするけど、これは賃貸借契約が締結されている物件について賃貸人である売主の地位をそのまま買主に引き継ぐ契約になります。なので売買契約が完了すると売主に変わって買主が引き続き賃貸人として賃借人に物件を貸すこととなります。

そのため買主は購入した物件を使用する事ができない(賃借人が物件を使用しているから)ため、買主はその賃貸借契約の賃料徴収権(賃料を受領する権利)を目的として取引することとなる。

つまり賃料を得ることを目的としているから、物件購入価格という投資額に対して賃料をどれだけ得る事ができるのか?という事が重要になってくる。だから一般的に投資利回りを中心に考えていて、

年額賃料 ÷ 投資元本 = 投資利回り

この投資利回りが何%なのか?そして他の物件や投資と比べて有利なのか否か判断する。ここで年額賃料を毎月の賃料をそのまま当てはめると投資利回りは表面利回りになって、年額賃料を毎月の賃料から費用を控除すると投資利回りはNOI利回りが求められます。

それで賃貸人の価値というのはこの価格(投資元本)であり、価格を求めるための式は、

年額賃料 ÷ 投資利回り = 価格(投資元本)

で求める事ができます。

この式からわかると思いますが、利回りを一定だとすると、賃料が上がれば価格が高くなり、賃料が下がれば価格が安くなる。つまり賃料と価格で上昇と下落が同じ様に動くという事。まぁ賃料を多く貰えるならその分高い価格を払って物件を購入できるし、賃料があまり貰えないなら投資として旨味が少ないので安くなるのは理解できそうですよね。

これが賃貸人の価値。

賃借人の価値

では賃借人の価値ってどうなんだろう?

賃貸人の価値と同じで、賃料が高くなれば賃借権(目的物を借りる権利)の価格が高くなり、賃料が安ければ賃借権の価格が安くなるのでしょうか?

賃借権って取引はほぼ無いしあまり考えることもないので想像しにくいかもしれませんが、賃借権の価格は逆の動きになります。

つまり、賃料が高ければ賃借権の価格が安くなり、賃料が安くなれば賃借権は高くなる。

なぜか?

それは想像すると分かると思うんですが、同じ物件を高い賃料と安い賃料だったらどちらがいいのか?という単純な話です。

同じ物件でも高い賃料だったら、その高い賃料で借りる権利って欲しいと思わないですよね。欲しい人がいなければ価格は安くなる。

その反対に同じ物件でも安い賃料で借りられる権利って欲しいですよね。安く借りられるならその分得をするから高くても権利が欲しい。

月額100,000円賃料が高かったとすると、1,000,000円で賃借権を購入したとしても、10ヶ月で回収できるから購入する価値がありますよね。

賃借権の取引はほぼ無いので、イメージが付きにくいかもしれませんが、賃借権の価値というのは目的物を借りる権利を購入するという事なので借りる権利を買った場合の価格になります。

こういうと分かっていると言われそうですが、意外と賃貸人と賃借人の価値が混同してしまって整理できていない人がいるから注意した方がいいのもしれない。

両者を比較すると全く逆の動きをするので、なかなか理解しにくいのですが、例えば立退きする際に賃借人に出て行ってもらうこととなり、それは賃借権の価値を奪うことになるから、この賃借権の価値っていうものがあることを知っておいた方がいいと思う。

あまり使うことは少ないかもしれませんが、いざという時のためにたまにはこういったものも整理しておいた方がいいと思います。

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