賃借権って実は賃料が安い方が強い。

建物の取り壊しのために、賃借人の立ち退きを行う事がある。

その時に問題となるのが賃借権。。

これって賃貸人の好意が裏目になる場合がある。意外と誤解されがちなところなので、その事を指摘したいと思う。

賃貸人の好意で賃借人の賃料を安く貸していたとします。

もちろん賃貸人からすると、賃借人が少しでも楽に暮らせる様にという配慮です。

でも残念ながらこの配慮って賃貸人の権利を強くしてしまうんです。。

立ち退きの時って正当な理由があるにせよ賃借人の権利が強ければ立ち退きが難しくなります。

そして賃貸人からすると、長い間安い賃料で貸してあげたんだから立ち退きに協力してよって思いもあるかもしれません。

でもそんなに単純な話ではありません。

だって賃料が安いと賃借権は強くなりますから。。

えっ!!思った人へこれから賃借権についてご説明したいと思います。

まず権利の価格についてですが、一般に権利の力が強ければ価格が高くなります。

何故かというと、権利が強ければリスクは低いので利回りで例えると低くなる。収益が一定だとすると利回りが低くなると価格は高くなりますよね。

全く同じ物件かつ全く同じ条件で賃料だけが高いものと安いものがあったとします。その2つの権利を売却できるとすると、安い賃料で借りられる方を購入しますよね。

つまり売却したら安い賃料に需要が高まり価格が高くなる。そもそも同じ土地や建物を安くで借りたいか高くで借りたいかで考えるとそれは安い方がいいに決まっています。

そして標準的な賃料より安いんだったら標準的な賃料との差額を払って借りても損はしないですよね。

だから安い賃料の賃借権ってこの差額が権利価格になったりします。

例えば10年間建物を借りるとして、標準的な賃料が10,000円/坪だったとして、それを5,000円/坪で借りれるとしたら、5,000円/坪が得ですよね?追加で3,000円/坪払っていいから借りたいって人もいると思う。。

5,000円違えば年間60,000円得をする。しかも対象地が100坪だとすると、年間600万円違ってきます。これが10年だとすると6,000万円なんです。大きいですよね。

じゃあ10年借りる事を前提として、5,000円/坪で借りれるのなら3,000万円で賃借権を購入してもいいかなって考えも出てきそうですよね。

標準的な賃料だったら賃借権の価値って居抜き等の前賃借人から権利を引き継いだりする様な特殊な案件でない限り価値はない事がほとんどだと思う。

だから賃借権の賃料は安い方がいいんです。

意外と知らない人が多いので知ってた方がいいと思う。

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