賃料の増減額請求って根拠は必要?
賃料の増減額請求権

賃貸借契約を締結してしばらくすると、周辺相場の賃料と比較して設定したが乖離してしまうことがある。
それで設定した賃料が周辺相場と比べて高い場合は、賃借人から賃料減額の相談があり、逆に設定した賃料が周辺相場と比べて安い場合は、賃貸人から賃料増額の相談があったりする。
そしてその賃料の増減額については借地借家法(借地や借家)で増減額請求権というのが定められている。
ちなみにどんな時に賃料の増減額請求が可能かというと・・・
借地の場合
- 土地に対する租税その他の公課の増減
- 土地の価格の上昇若しくは低下
- その他の経済事情の変動
- 近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったとき
借家の場合
- 土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減
- 土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下
- その他の経済事情の変動
- 近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき
これらの場合は、一定の期間の賃料の増減をしない旨の特約がある場合を除き、将来に向かって賃料の増減を請求できるとされています。
だから賃料の増減額の交渉の際は必死に1〜4のどれかの根拠資料を作ろうとする。
ところがその根拠資料を作ることは簡単ではないんですよね。
それというのも1であれば、租税の増減があったとしてどれくらい増減があったら賃料の増減額請求をできるのか?
2であれば、価格の上昇や低下って相場の価格が変わったとしてもどの程度変われば賃料の増減額請求をできるのか?
3であれば、経済事情の変動っていうと最近であればコロナウィルスの影響があるかもしれないけど、その影響って業種によっても異なるしいつまでその影響が続くか分からないのに賃料の増減額請求をできるのか?
4であれば、近傍同種の物件の賃料っていうけど近傍同種といっても幅広いものがあり、もちろん高いものも安いものもある。そうだとすると根拠として高いもの若しくは安いもののどちらかを持ち出したとしてもその反対に高いものや安いものが簡単に見つかってしまうため、賃料の増減額請求は難しそう。
それに1〜3の事象があったとしても、それが賃料に与える影響を説明するのは困難を極めると思う。
だから賃料の増減額を交渉するのは難しい。。必死に何日もかけてこれらの根拠資料を作成したりする人もいると思う。勉強をする意味においてはいい経験なのかもしれないけど、なかなか資料を作れそうにないので話を進めるのに時間がかかりそうですよね。
でもここでちょっと立ち止まって考えた方がいいのかもしれません。
冷静に考えて欲しいんですが、賃料の増減額の交渉において必ずしもこれらの根拠が必要とは限らないんです。。
話し合いであれば必ずしも増減額請求の根拠は必要ではない。。
それというのも借地とか借家の賃料の交渉って借地借家法で定められた方法じゃないと交渉できないってわけじゃないので。。
えっ!て思う人もいるかもしれませんがただの賃料の相談をするに際し、根拠が絶対に必要なんてことはないですよね。
賃貸人または賃借人のどちらかが困ったときは率直な意見を出し合って話し合えばいいと思うんです。根拠がないから話し合えないっていうのはないので。。
もちろん法律上の賃料の増減額請求権を行使するためにはその根拠が必要なんですけど、賃貸人と賃借人の話し合いってそれとは違いますよね。賃料を変更するには別に賃料の増減額請求権を行使しなくても話し合いで合意できればいいと思うんです。
賃料増減額請求権の要件を知ったばっかりにそれが賃料の話し合いにも必ず必要と思ってしまい、頑張って根拠資料を作ろうとする人もいると思うんですが、それより契約当事者の問題は早く解決した方が双方の関係性を保つためにもいいと思うので、早く双方の意見をまとめられる様に話をした方がいいと思う。
もちろん話をうまくまとめられる様に予め要望を整理して話を進める必要はありますが、賃料増減額請求権の根拠資料を作れなくても話し合いはできるということを認識しておいた方がいいんじゃないかって思うんです。。